歯の一生の中では、虫歯や歯肉炎・歯周病等の病気になったり、予期せぬケガをすることもあるでしょう。
虫歯や外傷により「歯が折れた」「抜けた」などで痛くなった歯は、放っておいても自然に治ることはなく、できるだけ早めに歯科医に診てもらうことが大切です。
歯は、自然治癒力がほとんどありませんので、傷病を放っておくとどんどん悪化してしまいます。
では、いざという時、どのように応急処置を行えばよいのでしょうか。

【「歯が痛み出した」時の応急処置 】

①痛い歯を見つけ、食べカスを取るためうがいをするか、歯ブラシで軽くこする。
○イソジンTMなどの消毒・殺菌効果のある薬でうがいをすると、より効果的。
×つまようじで突くと痛みがひどくなることがある。

②ほお全体を冷たいタオルで冷やす。
○運動や入浴、飲酒は避けて安静にする。

③鎮痛剤を飲む。

④痛みが治まっても、なるべく早く歯医者へ行く。

※注意
・鎮痛剤服用中は、アルコールを飲まない。
・鎮痛剤の錠剤を直接患部につけない。
・甘いもの、熱いもの(飲食物)は取らない。
・患部を温めないようにする。

【「歯が欠けた・折れた、詰め物がとれた」時の応急処置 】

痛みがある場合は、アスピリン、タイレノールTM、バファリンTMなどの鎮痛剤を飲む。
○欠けた歯・折れた歯・とれた詰め物は、乾燥を防ぎ、歯医者に持っていく。※つけ直したり、折れた部位を推定できることもある。

※注意
・市販の瞬間接着剤では絶対につけない。
・欠けたり・折れたり、詰め物が取れた歯では、ものを噛まない。
・歯医者へ行くのを先延ばしにしない。
(すぐに治療しないと更なる問題が起こってしまいます。)

【「事故などの衝撃で歯が抜けた」時の応急処置 】

抜けた歯を見つけ、洗いすぎないようにぬるま湯で軽くゆすいだ後、牛乳につけるなどして乾燥を防ぎ、
一刻も早くその歯を持って歯医者へ行くこと(30分以内が望ましい)。
○乾燥を防ぐのは、根の周りについている歯根膜を乾かしてしまうと、その細胞が再生できなく
なってしまうため。
○抜けた歯の保管方法は、牛乳につける方法の他に、ケガをした本人の血液が混じった唾液をハンカチや
ビニール袋などに集めて、歯を入れておくと良い(ほおの内側と、歯ぐきの間に挟めた状態で歯医者に
向かうのも効果的)。

※注意
・絶望しないこと。歯が元に戻る可能性は、処置が早ければ早いほど、高くなります。

【「歯ぐきの出血・炎症」時の応急処置 】

①ぬるま湯に食塩を加えたもので1日に4回程度患部をすすぐ。

②出血が続いても、歯磨きは続ける。

③鎮痛剤を飲む。

④抜歯後出血が止まらない場合は、滅菌ガーゼを小さくたたんで、出血している歯にあて、20~30分かんで抑える。

※注意
・出血は、歯ぐきの病気の初期段階。早めに歯医者へ行けば、比較的容易に治ることも。
・炎症は、放っておけば治るなどと思わないこと。歯周病の兆候かも。
・抜歯後の出血は、唾液が混じり、多量に見えることも。湧き出るような出血があれば、直ちに歯医者へ
行きましょう。

【「歯が抜けてしまった」時の応急処置 】

①状態により、抜けた歯を戻して使うことができる場合がある。

②抜けた歯を補うものとして、ブリッジ・局部床義歯・総義歯・インプラントがある。