隣で寝ている人に「歯ぎしり、うるさいよ」と言われたことがありませんか?または、隣で寝ている人が、いびきとは違う大きな音を立て、びっくりしたことはないでしょうか?
「歯ぎしり」とは無意識に「きりきり」「ぎしぎし」「かちかち」といった音を発するもので「咬合(こうごう)神経症」または「ブラキシズム」ともいいます。※食いしばり(噛みしめ)のように音のないものもあります。
症状としては「歯のこすり合わせによる騒音」「あごがだるい」「歯が減る」「歯ぐきが下がってくる」「歯の根元がえぐれてくる」「冷たいものがしみる(知覚過敏)」「歯が折れたり割れたりする」などがあります。歯ぎしりの最中は本人の自覚がなく、他人からの指摘で気づくケースがほとんどです。

【 昼間も歯ぎしりをしているの? 】

夜の歯ぎしりは睡眠障害の一種で、浅い眠りの時(レム期)に起こります。睡眠中は大脳皮質が抑制されて噛む力をコントロールできず、強い力であごの筋肉を動かし、歯を擦ります。 これに対し昼間の歯ぎしりとは、仕事に集中している時、緊張している時、悔しい時などに「無意識に歯と歯を食いしばっている」状態です。

【 歯ぎしりはなぜ本人にわからないの? 】

起きている時、音は筋肉から脊髄を通り脳へと伝えられますが、睡眠中は感覚器の伝達経路が遮断されるために、あごで起こっている歯ぎしりを感知できなくなります。
他人から指摘がなければ、自分の歯ぎしりに気づくことはほとんどないといってよいでしょう。

【 歯ぎしりは誰でもしているの? 】

歯ぎしりは、睡眠中の「ギリギリ」等という不快な音を出すことで知られていますが、実際には「音なしで歯ぎしりをしている」人の方が多く、最近では、「歯ぎしりをしない人はいない」といわれています。
なかでも、「負けず嫌い」「競争心が強い」「目的意識が高い」「多忙」といった性格の持ち主が歯ぎしりしやすい傾向にあります。

【 歯ぎしりは病気なの? 】

正常な人でも、睡眠中に約10~20分ぐらいは歯ぎしりをするので、病気かどうかの判断は難しいところです。
しかし、歯ぎしりは健康な歯やアゴに負担をかけることが多いので、一度歯科医院で相談することをおすすめします。

【 歯ぎしりによる影響 】

歯ぎしりは睡眠の妨げになるばかりではなく、歯や歯ぐきにも影響を与えます。
たとえば歯ぎしりにより歯にかかる圧力は、ものを噛んでいる時の数倍から数十倍にもなるといわれています。

●あごへの影響…顎関節症など
●歯への影響…歯が擦り減ったり、折れたり、歯周病の進行など
●全身への影響…顔面痛、頭痛、耳鳴り、肩こり、腰痛のほか、熟睡できない、倦怠感、自律神経失調症など