顎関節症の治療に先立ち、問診・視診・筋肉などの状態・骨や内部組織・アゴの動き、さらに精神・心理的状態などについて調べる場合があります。その結果、どの部分にどんな問題があるかによって治療法が選ばれます。
【 スプリント療法 】
顎関節症の治療としては一般的です。
「スプリントと呼ばれる噛み合わせを調整できる取り外し可能な装置(マウスピース)を入れて、アゴの負担軽減をします。
スプリントは形や大きさも症状によって異なり、様々な種類が用いられます。
大きく分けると「取り外し型」「装着型」「金具を用いるタイプ」などに分けられるでしょう。また素材もさまざまで「樹脂製」「金属製」「ミニスプリント」「組み合わせ型」などがあります。
異常な噛み合わせをスプリントで調整することによって、身体の姿勢を但し、色々な症状を改善します。
【 薬物療法 】
顎関節症での薬物療法は、痛みの軽減、症状の緩和のため用いられます。筋肉や靭帯の炎症による痛み止めや、筋肉の緊張を和らげる薬などが用いられます。また、ストレスが原因の場合は、精神面に作用する薬が用いられることもあります。
【 関節腔内洗浄 】
顎関節は関節包に包まれていて、その中に関節腔があります。関節腔内に針を刺し、生理食塩水の入れたり、出したりを繰り返して関節腔内を加圧、拡大し、洗浄をおこない、炎症性発痛物質を洗い流します。
【 外科手術 】
症状が重度の場合、関節鏡手術により、癒着部分をはがしたりして関節円板の動きを良くして痛みをとる手術を行います。
【 その他の治療方法 】
患部のマッサージ、ストレッチ温熱療法、超音波低周波マッサージなどの理学療法や、「顎関節症呪文(TMDマントラ)」と呼ばれる方法もあります。「唇を閉じて、奥歯を離し、顔の力を抜く」と1日に何度も自分に言い聞かせます。
噛み合わせの悪さや不適合な冠・入れ歯については、症状がある程度落ち着いてから治療を検討します。