「酸蝕歯(さんしょくし)」は、主に酢や柑橘類、炭酸など「酸性」の食品を摂取することで、徐々に歯の表面が溶けてしまう症状をいいます。
歯を覆う硬いエナメル質がなくなり、象牙質が露出した歯の神経が刺激を受けることで発症する知覚過敏を予防するには、酸蝕歯にならないことがとても大切です。
食品の影響以外でも、逆流性食道炎やストレスによる胃炎など、胃酸が口の中に出やすい状態が続いたり、メッキ工場勤務などで酸性のガスに日常的にさらされたり、酸性の温泉が出る地域に住んでいて、温泉水をよく口に含む習慣があると酸蝕歯になることがあります。

【 酸蝕歯の予防 】

口の中はアルカリ性と酸性のバランスが常に変化しています。酸性が強くなると歯のエナメル質は溶け始めてしまいます。酸蝕歯にならないためには、口の中を中性に保つことと、歯の表面を傷つけないことを心掛けます。

●酸性食品を洗い流してから寝る

酸性度が高い食品を摂ったあとは歯磨きをしましょう。

●酸性に傾いた口内を中性に近づけてから歯磨きをする

歯磨きのタイミングは、食後すぐではなく10分以上経過し、口内が酸性から中性に戻った頃です。

●硬い歯ブラシを使わない・軽い力で磨く

極端に硬い歯ブラシの使用は避け、軽めの力で磨きます。

●酸蝕歯を予防する成分が入った歯磨き粉を使う

酸に溶けにくい状態を作る「フッ素」や、歯のエナメル質結晶の構成成分「ハイドロキシアパタイト」配合の歯磨き粉等が効果的。